(4) 拡散性水素量測定
概要
鋼や溶接金属中には、常温で結晶格子内を自由に移動する拡散性水素が存在し、低温割れの原因になります。JIS Z 3118:2007では「鋼溶接部の水素量測定方法」が規定されており、所定サイズの溶接試験片を捕集容器に挿入し45 ℃で72時間保持後、試験片から放出した水素ガスをガスクロマトグラフ装置で測定します。しかしながら、同規格は、溶接材料による拡散性水素量を所定の試験片で測定する方法を規定したものであり、実際の溶接継手における水素量を評価するものではありません。当社では、溶接継手における水素量についても、独自の捕集容器を製作し測定技術を確立しています(特許出願済み)。
適用対象
- 溶接金属、溶接継手
- 金属材料
測定項目
- 溶着金属当たりの水素量(ml/100 g)、溶接金属当たりの水素量(ppm)
適用例
- 炭素鋼、特殊鋼溶着金属の拡散性水素量測定
- 鋼製のばね、亜鉛めっきボルト等の拡散性水素量測定
- 開発捕集容器による軟鋼や耐熱鋼溶接継手の水素量測定
保有機器の主な仕様
- 測定精度
- ガスクロマトグラフ装置)0.01 ml
グリセリン置換法用捕集容器)0.05 ml - 捕集容器
- 市販品)内径30 mm、 深さ46 mm・・・(JIS Z 3118試験片対応)
開発品)内径100 mm、深さ50~150 mm・・・(実溶接継手対応)
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