(32) y形溶接割れ試験
概要
y形溶接割れ試験は、溶接部の低温割れ感受性を調べる試験です。開先溶接の中では最も応力が集中する初層溶接を模擬した開先形状の試験板を溶接し、拡散性水素が十分拡散する期間(48時間)以上の経過後に、割れの検査を行います。JIS Z 3158(y形溶接割れ試験方法)では、表面割れ率、ルート割れ率、断面割れ率を求めて評価します。
なお、試験板の予熱温度および溶接環境(温度・湿度制御ルーム)の条件を変えることで、割れ停止予熱温度などが求められます。
適用対象
- 炭素鋼、特殊鋼(低合金鋼、高張力鋼、低温用鋼など)の溶接部(溶接熱影響部および溶接金属)
試験項目
- 溶接部の低温割れ感受性
適用例
- HT490級鋼溶接部の低温割れ感受性調査
- HT780級鋼溶接部の低温割れ感受性調査
- 耐熱鋼溶接部の低温割れ感受性調査
- 1.5 %Ni低温用鋼溶接部の低温割れ感受性調査

[y形溶接割れ試験板の形状・寸法]

[HT780級鋼被覆アーク溶接部の割れ試験]
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